きゃ4さんの雑記帳(98年)

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今年も終わり(1998/12/29)
今年も残すところあと2日となりましたね。
今年は名古屋、東京と公演がありましたが、前半に集中していたため年の後半は
あまり話題が無くなって更新頻度ががた落ちしてしまい、申し訳ありませんでした。
来年はまた4ヶ月公演があるので、盛り上げていきたいと思っています。
みなさんの感想やお話もどんどん聞かせていただければ幸いです。
来年のニューキャストにも期待大ですよね。戸井さんマリウスとか(笑)←笑うな

読者の皆様、この1年お世話になりました。来年もまたよろしくお願いします。
島田歌穂コンサート(1998/12/17)
15日(火)、五反田ゆうぽーとにて歌穂さんのコンサートを見る。
四方山話をご覧いただいた方はご存知だと思うが、私と歌穂さんとは蜘蛛の糸ほどの
太さ(笑)のつながりがある。その昔、私が電子オルガンを習っていた先生の
実のお兄さんが、歌穂さんのご主人であるピアニスト、島健さんなのである。
とはいえ、もちろん習っている頃に健さんにお会いしたことはないし、
つながりと言ってもほとんど気分の問題程度だった。
が、今年の年賀状をレミゼ仕様にしたこともあってついでに先生宛に
「今、先生のお義姉さんに夢中です(笑)」のようなことを書いたら、
先日先生から電話をいただいて、10数年ぶりにお宅にお邪魔して歌穂さんの
結婚式のビデオや写真を見せていただいたりして、さらに今回のコンサートに
一緒に行ってくださることになったのだった。

さて、コンサートの内容だが、2部構成になっていて、第1部は最近リリースした
CDからの曲。歌穂さんは最近アジアの曲に興味がおありだそうで、マレー語で
歌うマレーシアの歌などなどの元気な舞台。髪型をファンキーにまとめていて、
衣装はピンクの花付きのワンピースにジャケットというもの。MCも上手で
歌穂さんの人柄が滲み出ているいい舞台だったが、まあ冷静に見ていた。

第2部はガラッと雰囲気が変わって、黒っぽいシックなドレスと長い付け髪で
椅子に腰掛けたままで幕が開く。そして始まったのはなんと、JAZZだった。
これがすっごくいい!!何しろご主人の島健さんももともとはJAZZ畑の人。
ノリが違う。そして歌穂さんの歌声が、またJAZZにピッタリなのだ。
ピアノと歌声のデュオ、ギターと歌声のデュオ、ベースと歌声のデュオなど、
実力がものを言う曲が続く。もう至福の時。
しかし私の感動はここでは終わらなかった。
次いで映画の曲になったのだが、1曲、私の大好きな曲を歌ってくれたのだ。
それは「バグダッドカフェ」という映画の主題歌で「Calling You」。
好きだったけれどここ数年忘れていた曲。なぜか涙が溢れてしまった。

ラストはミュージカルの曲が3曲続き、もちろんON MY OWNで締めくくり。
アンコールは歌穂さん曰く「唯一のヒット曲」(笑)、ドラマ「HOTEL」の主題歌で
「FRIENDS」。ファンの人からもらったお花を両手一杯に抱えて幕が閉じた。
コンサートが終わるとロビーに行って思わずJAZZのCDを探すが、残念ながら出して
いないとのこと。2幕をそのままCDにして欲しい〜〜〜。

諦めて健さんとのデュオCDとニューアルバムを購入。その後楽屋に連れていって
いただけるということになっていたのだが、歌穂さん、CDを買ってくれた人に
ロビーで握手サービスをしていらっしゃった。お時間もないとのことなので、私も
いそいそと列に並ぶ。私の順番が来たら先生が「私の生徒だったの!」と声をかけて
くださったので歌穂さん「あらんまぁ〜」(笑)と改めて手を握ってくださった。
すかさず「私あの〜、レ・ミゼラブルマニアックスというホームページを作って
いるんですが…」と言うと「ああ、前にお花をくださいましたよね!」と覚えていて
くださった。感激〜。

とりあえず列を流さなければならないので「がんばってください」くらいしか言えず
終了。その後先生はすぐお友達と飲みに行ってしまって(先生、約束が違うよ・笑)、
そのまま帰ろうとしていたところ、先生のお母様が私の母と古くからお付き合いが
あった(実は私の母は先生のお父様に習っていた。親子揃って師弟関係だったのだ)
こともあって結局一緒に楽屋まで連れていってくださることに。せっかく
持っていったコンプリート盤の箱にサインをいただいていなかったので(笑)、
チャ〜ンスとばかりお供させていただいた。

楽屋口へ降りると、一緒のエレベーターから降りた歌穂さんが「あら〜!?」と叫ぶ。
そこには純名さんと戸井さんがいらしたのだった。
しかし楽屋口へ来ているような人たちは歌穂さんと深い関わりがある方ばかり。
その方たちへの挨拶に追われて歌穂さん、なかなか純名さんや戸井さんとお話が
できない。純名さんは途中で何とか声をかけられ、ささっとお帰りになったのだが、
戸井さんはそこはホレ、まだこの世界では新しい方だし、じ〜〜〜〜っと耐えて
いらっしゃった。

私はと言えばしっかり最初に例の箱にサインをいただいていたのだが、母が先生の
お母様に誘われるままに楽屋の中に入ってしまったので勝手に帰るわけにもいかない。
で、これまたチャ〜ンスとばかり、戸井さんに声をかけた。ここでもしっかり
レマニを宣伝する私(笑)。戸井さん、「ああ、紙の上では何度かお名前を…」と
これまた覚えていてくださった。

ちゃっかりと戸井さんにまでサインをいただいたが、戸井さんの忍耐はまだ続いていた。
歌穂さん、時々戸井さんに「ごめんね〜、もうちょっと待っててね」と声をかけつつも
まだまだお話しなければならない人が並んでいる。
歌穂さんの方を目で指して「お忙しいですよね…」と私。戸井さんも「お忙しいですよね」
とにっこり。沈黙。う〜ん、何かお話しなければいけないというプレッシャーを感じる。
ここで「もうグランはやらないのですか?」っつーような機転がきけば良かったのだが、
焦りが先にきてしまい、口走ったのは
「6月5日にまたレマニで団体観劇をするんですよ」だった。しかし。

「その日、ボク出ますっけ?」

し、しまった。
さらに戸井さんは私に追い討ちをかける。

「ボク、平日昼間の男なんですよね〜。まあ自分でわかりやすくていいですけどね。
夕方は必ず空いてますから(笑)」

と、戸井さん…(T▽T)悪かった、私が悪かったよぉぉぉぉ…

そのうちやっと戸井さんの順番が回ってきて、歌穂さんと無事会話してお帰りになった。
歌穂さんは歌穂さんで、数十分もの間ファンの方や関係者の方とお話をして、やっと
楽屋に戻ってお母様に「ご〜〜め〜〜ん〜〜ね〜〜〜〜」と疲れきった笑顔で
すがりつく。そしてついに椅子に座って髪を下ろした途端、「10時退館で〜す」
その時10時5分前。
いやはや、本当にお疲れ様でした!>歌穂さん
素敵な歌声をありがとう!!JAZZのCD出してくれ〜〜〜。

リピート観劇についてなど(1998/12/09)
▼リピート観劇をする人とは

一部の人は気づいていて(笑)話題になっている、私のダンナであるあまが書いた
「リピート観劇について」を考えてみる。

以前私がここで「ファントムにハマれなかった」と書いたら、熱く語ろうに
    「私も最初の観劇では『寝ていた』or『全然面白くなかった』が、
    2度目3度目と見たらハマった」
という意見が何通か届いた。
それはそれでいいとして、
「なぜ初見で面白くなかったものを何度も見る気になるのか」
という話である。

これについての意見を載せているページも拝見したが、私の結論としては
つまらなくてもリピート観劇する人=舞台ファンである
という感じ。

▼舞台ファンとは

私は冷静に考えると「レミゼファン」であって「舞台ファン」ではないらしい。
レマニを作ってからというもの、レミゼ以外の舞台を昔に比べたらずいぶんと多く見たが、
同じ公演中に「もう一度見よう」と積極的に思った作品はない。
レミゼ以外で同一興行中に2回以上見た作品は今のところ「美女と野獣」が2回。のみ。

その美女と野獣にしても、VJFの友人に「見てみたいんだけど」と相談され、 私自身職場の
友人と1度見ただけだったし、 それならアニメは結構気に入っていたダンナも誘ってもう一度
見てもいいかなと思って見た、というくらいであって、 「舞台に感動したからぜひもう一度!」
という気持ちがあったとは言えない。もちろん舞台はすばらしかったが、 私にしてみれば
それは「ディズニーアニメの美女と野獣のすばらしさ」と寸分も変わらず、 別に高いお金を
出して再度舞台を見る必然性がないという思いもあったからである。
#お断りしておきますが、 この文章は四季の美女と野獣がどうのこうのという話ではなく、
#私が「舞台ファンではない」ということの説明にすぎません。

そしてもちろん他の作品についても、 同じ公演中にもう一度見ようと思うほど感動した
ことはない。

つまり私は基本的に同じ舞台を2回以上見る人間では全然ない。 レミゼは楽曲と歌にしびれて
こういう世界を知る前に複数回見たが、 レマニを作った時点ではまさか世の中に同じ舞台を
何十回も見ている人がこんなにゾロゾロいる(笑)とは夢にも思っていなかった。
普通は1回見ればいいものであって、レミゼを(その時点で)計7回も見ていた私は
変わっているのかもとさえ思っていたのだった。

しかし今、レマニを見回しても、他のミュージカル関係のページを見ても、 1度しか舞台を
見るつもりのない人はほとんどいない。 どの舞台もほとんどの人が複数回見ているようである。
しかも、感動した・しないに関わらず、なのである。 もちろんつまらなければ1度しか
見ない、という人もいるだろうが、そうでない人が多いのもまた事実。

これはとりもなおさず「そういう人たちが舞台ファンとして残る」 ということだと思うのだ。
積極性のある人。世界にひたれる人。 もう一度確かめようと思う人。役者さんに惚れる人。
いろいろあれど、 全部ひっくるめて舞台ファンになる素質があったとしか言いようがない。
もちろん2度目に見る時の理由は人によって、 また作品ごとにさまざまであると思うが、
少なくとも 「初見で面白くないと思ったのにもう一度見る」ことについてのさまざまな理由の
どれひとつを取っても舞台ファンでなければ有り得ない理由のような気がする。
舞台ファンになる素質のない人は、つまらなかった舞台をもう一度みるということは
決してないと思うのだ。面白かったとしても1度で満足しちゃうんだから。

つまり、
つまらないと思いつつ、もう一度お金を払って劇場に出向くという積極性のある人、
つまらないと思いつつ、舞台中のどこかにひたれる世界を見出す人、
つまらないと思いつつ、どこに引っかかっているのか確かめようと思う人、
つまらないと思いつつ、役者さんを見るために行ってしまう人、などなど。

これらはどれも舞台ファンでなければできないことだと思うわけ。
今回あまが導き出した結論
「演劇ファンは口ではつまらないと言っていても実はどこかに惹かれている」
=(私の言うところの)舞台ファンの素質、ということでもあると思う。
自分にとっての魅力をどこかしらに見出してあげられるという素質。
これは他のどんな趣味の人にもなかなか存在しないものかもしれないよね。

▼人によって違う価値というもの

これは何に重きを置くかの差だと思う。舞台ファンにとっては舞台にお金を払うことに
抵抗を感じないだろうし、ゲームファンにとってはゲームにお金を払うことに抵抗を
感じない。たまにはゲームファンが舞台を見ることもあるし、舞台ファンがゲームを
買うこともあるだろう。しかしそれぞれの絶対量は全然違うのである。
そしてその絶対量の差こそが「舞台ファン」と「そうでない人」の差そのものなのだ。
ここで言う絶対量の差というのはあくまでも「何に価値を見出すか」であって、これは
つまらないのにリピートする」論とはちょっと別の話として読んで欲しい。
どこに積極的にお金を使えるか、という点での比較と言えばわかってもらえるだろうか。
だから別にゲームじゃなくても何でも当てはめようと思えば当てはまることである。

さて、ここで声を大にしておきたいことがある。
「舞台ファン」と「一見(いちげん)の人」は同列の客である、ということだ。
舞台ファンが偉いわけでも一見が偉いわけでもないはずである。
例えば、映画ファンではない人が映画を見たとして、その映画を評価できないか?
そんなことはないだろう。 例えその評価が他の映画ファンと違うものであったとしても、
それはその人の評価として同時に存在しなければおかしいと思う。そしてその意見は
誰にはばかることなく堂々と表現して良いものでもあるはず。

種族が違うだけで同じ人間。でもあくまでも種族は違う。
この、 差別することなく「違う」ということを受け入れるということはとても大切なことだと
思うのよ。別にここで人種問題に発展させようと思ってるわけじゃないんだけどね (笑)。

舞台に通った人にとって「名作」であることと一見の人にとって「駄作」であることは、
どちらも平等に下されたその作品に対する評価であることに変わりはないと思う。
一度しか見ないで「駄作」と決め付けようが、それはその人の自由だと思うし、
舞台ファンにしてみれば邪道かもしれないが、一見にとってはそれは正道なのだ。
逆に通うという情熱を持っていること、それはまたすばらしいことで、そのことについて
どうこういうことも間違っていると思う。どちらもそれぞれの道であって、決して
どちらかが間違っているわけではない。
そもそも私に言わせれば、 評価というものはどちらであれ自ら下す以外にないと思うんだけど。
どうしても引っかかるのは「名作かどうかは後世の人が決める」っていうフレーズなんだよね。
まあこの辺についてはまたの機会に。

▼最後に

というわけで、私はこんなページを作っているわりには「舞台ファン」ではないようだ。
レミゼについてはたまたまだったと言う他はない。
もちろんこれからもいろんな舞台を見ようとは思うし、 その中にハマるものも出てくる
可能性はいくらでもある。 その可能性までも否定するつもりはさらさらない。
でも今はとりあえず、私はレミゼにはまだ多少のお金を使えるが、 他の舞台を2度以上
見るほどにはお金を使う気になれない、 とまあそんなわけであったのだったよ。

RENT(1998/11/30)
28日マチネ、噂のRENTを観劇。
感想としては「良くも悪くも若者(精神年齢含む)向きだなぁ」ということ。
残念ながら手放しで「最高!」というほどではなかった。しかし。

作品の感想というよりも、ここでは私が感じた「日本におけるRENTについて」を
語りたいと思う。

まず、「熱く語ろう」でも話題になった「ミュージシャン起用について」を考えよう。
これは、私はミュージシャン起用で正解だったと思う。特に日本では。
なぜかと言うと、RENTは芝居云々よりもノリが命だと思ったからだ。
ノリと一口で言ってもいろいろあると思うが、RENTのそれは黒人音楽じゃないかと思う。

昔何かで「黒人の歌う歌は他の人種には真似できない」というのを見たことがある。
そして私もずっとそれに同意していた。呼吸法などに独特のものがあると思うし、
ただ憧れるしかない存在。でも、日本のRENTを見て、日本のミュージシャンも
捨てたものじゃないと思った。もちろん黒人のソウルを再現しているかと問われれば
そこまでは行ってないかもしれないが、それに近いものを感じることができた人がいた。

残念ながら、このノリを今のミュージカル界の俳優さんに求めても、決して
得られないものだと思う。これは日本のミュージカル俳優さんの質が悪いとか
そういう話じゃなくて、違うジャンルと言ってもいいものだからだ。
海外ではどうだかわからないけれど、日本でこれを両立できる人はまずいないだろう。
そういう意味で、ミュージシャンでなければ日本版RENTは成り立たなかった、と
言ってもいいと思う。どんなにいい芝居をされても、あの独特の歌いまわしが
出来なければおそらく舞台は台無しだったろう。

じゃあ芝居はダメだったかというとそうでもない。
シーラブズミーのときにも感じたキャストの絶妙さで、それぞれさほど無理な芝居を
しなくてもキャラクターを演じられていたように思う。
これも成功と言えるだろう。

じゃあ何をして「手放しで最高とは言えない」のか。
それは1幕である。あらかじめキャラクターと多少の設定を頭に入れておかなければ、
何が起こっているのかまったくわからない、レミゼも真っ青のジェットコースター。
何しろ早口言葉のようなセリフ、歌の数々。白紙状態ではアレは聞き取れないだろうし、
おそらく何がなんだか理解する前に1幕が終わってしまうはずである。
ある程度頭に入れておいた私でさえ、1幕はあっけに取られて見ていたという表現が
一番ぴったりくる。

もしみんながハマっているという事実がなくて、タダで見に行っていたとしたら、
私は下手をすると幕間に帰ってしまっていたかもしれない。
2幕では感動して涙を流したりしてしまったけれど、それでも作品全体としては
1度見ただけでは「ああ面白かった!」と言えるほどにはわからないのである。

しかし、2幕を見て感動したあとには、もう一度1幕を見たくなってくる。
そしてあれこれ内容を追っていくと、どんどん深さが出てくるようだ(推定)。
ハマる、通うということが苦ではない人にとってはこれほど面白いものはないだろう。
ただ普通に感動してもう一度、ではなく、ほとんど謎解きのためにまた見たくなる。
1ヶ月に1度、1年に1度見るのでは、謎は謎のままであろうことは間違いない。
「明日」もう一度見たくなってしまうような作品なのである。まさに麻薬。

1度見ただけでも「何かが残る」ことは間違いない。
でもそれだけではRENTの本当の面白さをわかったことにはならない気がする。
つまりこれは「通って初めて楽しい」舞台だと思うし、今までのミュージカルとは
違う新しいものなんだと思う。「ライブ感覚」というのは言い得て妙だろう。
客層が限定されてしまうかもしれないが、そういう舞台があっても別に悪くはない。

ただ、それがこのチケット代の高い日本のミュージカル事情で、いったいどれだけの
興行成績をあげることができるのか。
宇都宮ロジャーでないと客席が埋まらないようではRENTという作品に未来はない。
スターがいなくても通ってくれるファンを開拓することが、今後のRENTの一番の
課題ではないだろうか。客層を選ぶ作品である以上、それは逃れようのない課題でもある。

私としてはもう一度見たいという思いはあるのだけれど、時間もお金もないので
とても通えない。つまり、大手を振ってRENTを好きと言える人間にはなり得ないと思う。
しかし、それは作品がつまらなかったわけではなく、私という人間がRENTに観客と
して選ばれなかったというだけに過ぎない。

この作品の面白さを、まだ見ていない人、知らない人に一体どれだけ伝えることができるのか。
そこに今後のRENTの成功のカギはかかっているだろう。
今RENTのファンに求められているものは、数人のマニア同士で盛り上がることではなく
この良さをひとりでも多くのまだRENTを知らぬ人に広めることではないだろうか。
ファンの人たちを導いてがんばれ、かなめちゃん(笑)。

そして伝説へ…(1998/11/26)
今日は祐木鎧(ゆうき がい)さん主演のミュージカル「やさしさを忘れたブルース」を見に行く。

祐木さんはきゃ4的に今一押しの新人ミュージカル俳優さん。お知り合いになる機会が
あって、何度か歌を聞かせていただいたのだが、もう掛け値なしで上手い。
声も男っぽくてメチャクチャ好みな声である。
その祐木さんが主演でしかもミュージカルということで、ものすごく期待して出かけたのだが、
祐木さんのマネージメントをされている方が開演前に
「まあ…こういうのもアリかな…って感じで…」と言葉を濁されていたので、
一抹の不安があったことはあった。

さて、開演。
舞台を見ていて感じたことを率直に表現すると次のようになる。

まず、電池の切れかけた時計を思い出していただきたい。
チッチッと音はするが、針を動かすほどの電池は残っておらず、秒針が同じ場所で
痙攣している。ごくたまに根性で針は動き出すが、半周もしないうちに止まってしまう。
そして1時間経っても、その時計は5分しか時を刻んでいない。
その時計を、じ〜〜〜〜〜〜〜っと見ている、という感じであった。
かなり神経を消耗する、修行と言っても過言でない2時間。

その2時間の間、舞台で何が行われていたかと言うと、そのほとんどがダンスであった。
みなさんは逆三角形のフォーメーションで踊る「武富士」のCMをご存知だろうか。
そうじゃなければ「ドリフの大爆笑」のオープニングでお馴染みスクールメイツの踊り。
そういうアンサンブルのダンスが8割を占めていたと言ってもいい。
その間せめて誰かが歌ってくれればいいものを、盛り上がりもしない単調な曲に合わせて
ストーリーの進行には何の役にも立たないダンスが延々と続くのである。
しかもそのダンスも同じパターンの繰り返しばかり。ラリホー…

たま〜〜に主役の祐木さん演じるブルースが出てくるんだけど(なんで主役がたま〜になんだよ)、
せっかく歌声を聞こうと我々が座りなおすと、なぜかブルースはカッコよく(笑)ポーズを決めた
まま、あっという間に舞台ソデへと台車に乗って去ってしまうのである。
待ってくれ〜。歌え、私のために!!!

まあ、ごくたまに(泣)歌も入る。曲の良し悪しはちょっと置いといて、祐木さんはもとより
他の主たる出演者のみなさんも、ひじょーーーーに歌が上手な方ばかり。あぁなのに。
なのに、な〜んで歌の時間はあんなに短くて、残りの時間の全て単調なBGMに乗った
武富士のCMを延々と見せられなければならないのか。
宝の持ち腐れならぬ、役者の持ち腐れである。
単調なBGMだけならまだしも、時折始まる数少ない歌も、同じ歌詞が2度どころか
3度も4度も5(以下略)、まるで洗脳されている気になってくる。
そ、それはわかった。次に行ってくれ。次のエピソードはまだか!!!

文字通り次の展開が待ち遠しい舞台であった。

そして2時間の苦行を乗り越え(とっとと修行放棄した人もいたが)ストーリーも終わり間近。
やっと時計が時を刻み始めた(笑)。最後の15分位は面白かったんだよ〜、これが。
いやぁ、いろんな意味で伝説の舞台だね。もう今日のキーワードは伝説って感じなんだよ。
なんたって劇中の「伝説のカップルって呼ばれてるんだぜ!」ってセリフを聞いて、
「え、なんで?」と思わなかった観客はいないだろうよ。

この舞台の演出家さんへ。あの〜、もう舞台作らないほうがいいですよ。
つーか、最初の2時間を15分のダイジェストにして、全部で30分の舞台にすると
きっとものすごく面白くなります。
まあ大負けに負けて、せいぜい1時間までってとこでしょうか。

見終わって外へ出た途端、みんなで口から火を吹きました。
もう、「ゴォ〜〜〜〜〜〜」って感じ。私にしゃべらせろ!!!状態。しかし何が悲しいって
2時間修行を放棄してた(yes寝てた)Kちゃん、全部見てた私らとほぼ完全な会話できてた。
しゅ、修行した意味が…。
お疲れの祐木さんが外へ出てきてくださって、私たちへ一言。
「みなさんもお疲れ様でした」
…(;_;)(;_;)(;_;)…
祐木さん。次の舞台、楽しみにしてますよ〜。

閑話休題(1998/11/17)
いよいよ来年のレミゼキャスト表、5、6月分が発表になりましたね。
帝劇に問い合わせるとFAXを送ってもらえるとのことなので、私もさっそく手に入れました。
レマニ団体観劇は6月5日(土)マチネです。レマニ上での申し込みは締め切って、すでに
帝劇へも手配済みですが、個人でチケットを取ってのご参加、宴会だけのご参加も
大歓迎です(宴会はさすがにまだ予定は組んでいませんので、日が近くなりましたら
改めて告知します)。よかったらぜひお会いしましょう>みなさん。

ちなみにこの日のキャストは、
    バルジャン:滝田 栄
    ジャベール:村井国夫
    エポニーヌ:島田歌穂
    ファンティーヌ:岩崎宏美
    コゼット:純名里沙
    マリウス:石井一孝
    テナルディエ:山形ユキオ
    テナルディエ妻:森久美子
    アンジョルラス:岡幸二郎
のみなさんです。

さて、たしか関西オフミでのこと。どなたかが持っていた大判ちらしを見せてもらったら
「今世紀最後の公演!」
と銘打ってありました。
ってことは再来年はやらないんだね?2000年はまだ今世紀なんだよね。
まさか間違って1999年が20世紀最後の年と思ってるとか、そういうことはないよね?
でも、実は日本の50%くらいの人はそう思ってるんじゃないかって気がしてるよ。笑い

シーラブズミー(1998/11/8)
7日、またまた初めてのシーラブズミーを観劇。
レマニーズのみなさんにとってはスカスカに感じるだろうが、1年前の私からしたら
冗談のような頻度で観劇しているよ。

さて、シーラブズミー。とてもかわいらしいラブストーリーだった。
派手さはないものの、見ていてほのぼのというか、優しい気持ちにさせてくれる。
それになんと言っても役者とキャラクターがみんなすばらしくマッチしているね。
これはきっとすごく重要なことなんじゃないだろうか。
お客様を送り出す時の歌は耳に残るけれど、他の曲は難しくて「思わず口ずさむ」という
感じではなかったのがちょっと残念。覚えやすいってことは耳に残るってことだからね。
やっぱり残った方が感激も大きい気がする。

さて、市村さんは市村さんだった(笑)。でもやっぱり笑わされてしまう。いい役者さんだなぁ。
時々な〜んかカールスモーキー石井に見えちゃうんですが、私だけでしょうか。
特筆すべきはやっぱりカフェ・インペリアルの藤木さんでしょう。ちょっとしか登場しない割には
ポイント高いよね。なんか私、こういうキャラクターに弱いらしい(笑)。
藤木さんは置いといても、カフェ・インペリアルのダンスシーンはすごくかっこよかった。
ああ、これぞミュージカルのダンスって感じ。いや、何と比べてとは言わないけどね。
(言ってる言ってる)

私はエポニーヌ以外の歌穂さんを見るのは初めてだったんだけど、素晴らしい
コメディエンヌぶりに脱帽しました。歌穂さんの歌声を満喫できるような歌い上げる
曲じゃなくて、テンポのいいメロディーラインの複雑な曲が多かったけれど、まあ
こういう役柄だからしょうがない。
私にとっては歌穂さんの新しい魅力が発見できてうれしかった。
村井さんはおそらく10人中10人が同じ感想だろうけど、地でやってますね。
村井さん以上にコダリーにピッタリの人がいたらちょっと連れてきてって感じ。

今公演のニューキャストらしい犬塚さんは、歌がちょっとなぁ、セリフも噛むなぁ、という
思いはあったものの、キャラクター的にはやっぱりマッチしていて、斎藤晴彦さんよりは
ピッタリするんじゃないかなと思った。まあ斎藤さんのマラチェックは見てないんですがね。
その斎藤さんは、シーポスがとてもピッタリしていた。斎藤さんの前にシーポスを
演じられていた菱谷さんという方はどんな方なのかなぁ。今回が初観劇の私にとっては、
斎藤さんは絶対シーポスでしょう、って感じなんだけどね。

この観劇中一番気になったのは涼風さんの口の形(笑)。なんというか、口が横に開かない。
縦には開くんだけど。「わ〜」と歌っているはずなのに、口がすぼんでる〜〜。
ちょっと気持ち悪い〜〜。
歌声はすごくきれいで、キャラクター的にも合ってると思うし、かわいいんだけど、
頼むから音と合った口の開き方をして欲しいな〜と思ってしまったよ。
友人が昔「杉山清貴が『ふたりの夏物語』の『Just only you』のところを歌うとき全く
歯を開けない」と言っていたことを思い出してしまった。全然関係なし。

ラストはかわいらしいけれどかなりあっさり風味だった。普通のミュージカルはこんなもん
なのかなぁ。
いちいち比べるつもりはないんだけど、レミゼのエピローグってすごく盛りあがるんだなと再認識。
でもカーテンコールのあの歌には驚かされた。これ、すごくいい!!

見終わって、とりあえずまた見たいなと思った作品だった。私は基本的に同じ作品を何度も
見に行く人ではないので、この公演中にもう1度というのはないと思うけれど、来年また
公演があったらきっと見に行くだろうな。あの歌のおかげで(笑)。

あ、そうそう、私パンフレットって買ってもあんまり読みこまない方なんだけど、この
シーラブズミーのパンフの出演者対談はもんのすごく面白かった。必読です。

JCS(1998/11/2)
昨日はこれまた初めてのジーザスクライストスーパースター観劇。ジャポネスクである。
しかし、なんだってエルサレムも見てないのにジャポネスク。四季、公演の順番違わないか?
という疑問を持ちつつも、前から実質8列目でセンターという罰が当たりそうな良い席での観劇。
ありがたやありがたや。そう、何を隠そうナニを隠そう(やめなさいっはしたない)、
昨日はぱん屋の団体観劇だったのである。

ぱんちゃんのユーモアで「最後の晩餐ツアー」、つまり13人で観劇しようという企画だったんだけど、
当日ドタキャンが出たとのこと。ああ、やっぱ13人だったのがいけなかった、ユダに裏切られた(笑)。
誰だか知らないけど、お金はちゃんと幹事さんに払いましょうね。

さて、観劇。
映画で予習していたのと、もともとキリストの話は結構好きだったのとで、今回はすんなり入りこめた。
曲も好きなのと嫌いなのとあるけど、全体的にソウルフル(笑)でいい感じ。
でもやっぱりなんか顔の白塗りが気になる。ありゃ一体どんな事情で塗っているのか?
わからない。わからないのである。
使徒に「パンとワイン」とか言われても、 あの顔じゃひえとかあわとか食べてそうだし、
飲んでるのは焼酎だろうと突っ込みたくもなる。
芝さんのユダはユダというより吾作という名前が似合いそうだし、「ゲッセマネの園」では確かに
柳瀬さんの歌声に酔いしれているのに、別の私が耳元で「ローリー寺西だ」と囁くし。

唯一「ジャポネスク万歳!(笑)」と思えたのは噂の下村ヘロデだけだった。
みんな言ってるけど私もあの5分に1万円払えるね。あそこまでやってこそのジャポネスクだと思うよ。
ただ顔だけ白く塗っててもねぇ。いっそのこと名前もジーザスじゃなくて「いえずす」とか
ユダを「じゅうた」とかに変えて諸星大二郎の「生命の木」みたいにしちゃうとかすればいいのにね。
「ぱらいそさいくだ!」みたいな。ああ、誰もついてきてないな、今。

とにかく、もう1度観るなら「本編はエルサレムでヘロデだけジャポネスク希望」って感じかな。
まだエルサレム見たことないんだけどね。笑い
でもまぁ、私的にはファントムよりは(あ、これは言っちゃいけない約束だった)「もう1回見たい」と
思わせてくれる作品でしたわ。

オペラ座の怪人(1998/10/22)
先日、初めて「オペラ座の怪人」を見た。
何しろ世界中でロングランを続けている有名ミュージカルだし、イヤでも期待は高まる。
席は前から2列目の下手側。一緒に行った友人によると、ここではファントムがゴンドラ?に乗って
降りてくるところが見えないとのこと。まあいいや。

いよいよ幕が上がった。最初の15分くらいはなんというか不思議な雰囲気で、
ドキドキしながらストーリーに引き込まれていった。でも、な〜んか、あれ?
途中から間延びしている感じがしちゃって、あんまり舞台の世界に入っていけない。
今井さんは歌が上手いし、石丸さんはカッコイイんだけど、なんか盛りあがらない。
しかも、クリスティーヌ役の女性が、化粧といいかつらの雰囲気といい、
もうどっからどう見ても羽野晶紀にしか見えず、頭の中が羽野晶紀で一杯になってしまって
集中できん(笑)。

幕間に、一緒に見ていたあまに聞くと、やはり同じように「良さがわからない」とのこと。
その場では「我々は一般のミュージカルファンとは感覚が違うらしい」という結論に達した。
2幕もほとんど変わらない感想のまま過ぎ、ラストは「あれ?これで終わり?」。
終わったのかどうなのか、カーテンコールが始まるまでわからなかった。
プロローグのオークションのシーンをもう一度ラストに持ってくればもっと締まるのにね、と
あまとこれまた同じ感想。
一緒に行った友人は何度も見ている人で、感想を聞いたら「今井さん、もっといいかと思った」だそう。
改めて、ミュージカルって歌がうまきゃいいってもんじゃないんだなぁと思った。

後で他のお友達に聞いたところによると、ファントムファン歴が長くても今年のファントムは
「あれ?」って感じらしい。とりあえず私たちが本当に一般のミュージカルファンと感覚が
違うのかどうかは、他の作品を見るまでお預けだ。ってもうあまはあんまり見ないだろうなぁ(^^;。
でも、一言付け加えておけば、翌日突然アタマに流れた曲はラウルとクリスティーヌの愛の歌だった。
いい曲はちゃんと刷り込まれているらしい。あの歌はすごくいいねぇ。
そうそう、あと、カーテンコールが終わって指揮者が振り返った瞬間。「あ、佐藤さんだ!」(笑)
四季でも振ってらっしゃるんですねぇ。

ちなみにこの日一番印象に残ったのは、劇場を出た時に横を歩いていた中年のおじさんの、
「あの女、ありゃないよ。なんだよあの最後は。ひどいじゃないか」
というかなり真剣に怒っている感想だったよ(笑)。

ストレートプレイ(1998/10/20)
レマニって私から自発的に発信する場がメチャメチャ少ないことにふと気づいた。
四方山話に書くってほどじゃないし、自分に投稿するのもバカみたいだし(笑)。
んで、日記じゃないけど何か書きたいときにはここに書くことにしますです。はい。

今日友達とした会話。

友人 「○○○(彼の奥さんの名前)が見に行こうとしている『アマデウス』はミュージカルなんだろうか?」
「アマデウスはミュージカルじゃないよ。ストレートプレイ。でも面白いよ! 」
友人 「なんだ、それ。笑い>ストレートプレイ。モーホとかが出てこないってこと?」
「いや、ミュージカルに対して単なる芝居のことをストレートプレイと言うんだと」
友人 「ふーん。なんかあんまりいい気分じゃない表現だね。(笑)>ストレート」
「そうかなぁ(笑)>ストレート」
友人 「うん。なぜ、ミュージカルに対して、みたいな。もともと普通の芝居があったんだろう?みたいな。(笑) 」
「ああ、なる。でも、一番最初はオペラだったからじゃないの?」

というまあ許せる会話に混じって次の会話が。

「染五郎さんファン?笑い>○○○さん」
友人 「さぁ…>染め五郎。そんなヤツ出てたかなぁ。笑い」
「今回のアマデウスはサリエリが幸四郎さんでアマデウスが染五郎のはずなんだけど。息子ね」
友人染めの助染め太郎と間違えた。笑い」
「わっはっは!!>そめのすけそめたろう。梨園のプリンスだよ〜>染五郎」
友人 「梨園って? オレが世田谷のプリンスと呼ばれてることと関係ある?」
「歌舞伎界のこと(^^;>梨園」
友人 「初めて聞いたよ。>歌舞伎町のこと」
「歌舞伎町て!!!」

普通の人ってこんなもんである。いや、彼はあんまり普通じゃないけれども。笑い

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