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きゃ4さんの雑記帳・ザッツレポ編

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ザッツジャパニーズミュージカル(2000/7/3)
6月22日(木)、7月2日(日)、ザッツジャパニーズミュージカル2000観劇。
何しろ数え切れないほどのネタ(いやもちろん数えられますが)があるので、
全部について詳しく解説しているとスペースがいくらあっても足りない。
しかもどんなに上手く解説しても、ホンモノを一目見るのには絶対敵わない。
というわけで、見られなかった方のために、私が元ネタがわかるものを中心に、
とにかく「こんなのがあったの!次回はきっと見てね!」という気持ちを込めて
レポします。

今回のザッツはセリから齊藤晴彦さんのピカピカした頭が上がってくるところから始まる。

次に「歌詞は覚えたか、セリフは大丈夫か、踊りの練習十分か」という歌詞に載せて
ウォーミングアップしながら出演者が舞台に登場。
真面目に素敵なプロローグを経て、いきなりの登場はライオンキング。
あの感動のオープニングを再現してくれる。
まずラフィキ役は日替わりのゲストが演じる。初日は市村さん。
それっぽい衣装を着て登場し、素晴らしい歌声を聞かせてくれるが、よ〜く聞くと
「ホンジャマカ〜ハナモゲラ〜」と歌っている。
そして指には爪のかわりに10本の安っぽいぬりばしがつけられていて、チャカチャカと
音を出しながら歌うが、これまたよく聞くと「どうか温かい目で」と歌っている(笑)。

これだけでも十分爆笑ものなのだが、ぞろぞろ出てくる動物達がまたすごい。
遊園地のぬいぐるみショーのようなキリン、ただのぬいぐるみの鳥にヒモをつけて
ブンブン振り回す、うすっぺらいサイの手押し車、黒子で足だけチータの人が
上半身だけチータの人の足を持って、上半身役は手で歩くチータの人間手押し車、
獅子舞のお面をつけて太鼓をくくりつけた人(←これかなりツボだった)、
ゾウのカッコをさせた掃除機をひっぱるゾウの役の鼻はやっぱり掃除機のホース、
などなど。
そして草を頭につけたダンサーたちは真剣な表情で真面目に踊りながら
「ホンジャマカ〜ホンジャマカ〜」とコーラスを入れている。
もう、これだけで「どうよ?」という感じ。

千秋楽はゲストが市村さんと荒井洸子さんのお二方だったのでなんとラフィキが2人。
おお、豪華!と思いきや、前述の爪代わりの箸はひとり片手に5本ずつ。
なんて貧乏くさい(笑)。

この感動のオープニングのあと、ナナメの舞台で大変な扮装をまとって演技を
している動物達の苦労の歌が始まる「痛みを感じないかい」。
キリンは竹馬から落ちて骨折、ライオンは重いお面で鞭打ち状態といった具合。
「誰のせい?」「アサ…」「そうじゃない〜」と小ネタをはさみながら、
アイデアも衣装も演出もジュリー・テイモアのせい、覚えてやがれと歌う。
私が笑ってしまったのはこのシーン、お医者さんが動物達を治療するのだが、
お医者さんと看護婦さんが人間のお面をわざわざつけている(笑)。
非常に不謹慎で本末転倒ではあるが、

「ライオンキング、見といて良かった…」

と心から思ったことは言うまでもない。

このあと、市村さんがファントムの扮装で歌うミュージックオブナイトの
メロディーに載せた「これ以上のことはない」。
内容は女性にモテるために整形手術をした男がうまくいけばコングラッチュレーション
と歌う情けない歌詞。そして最後に包帯を取って手鏡を見ると、
「♪…市村正親だ〜…」
場内爆笑。そして
「♪…成功したのかな〜」
十分してると思います。

間にシング・シング・シングのダンスをはさみ、前回もあった「ラ・バンバの忠太郎」
ネタ。齊藤さんの「ラ・マンチャの男」をもじった内容。
ネタ的にはおじさまがたにウケていたが、結構真面目な歌なので歌は聞き入ってしまう。

それが終わると突然銀髪に黒服の集団が(笑)。そう、エリザベートである。
でもルドルフっぽい男装の女性が出てきて歌う歌詞は「タカラヅ〜カ〜」。
退団させてくれ〜というかなりシビアでシニカルな内容。退団しても仕事が
あるかどうか悩むルドルフに、ゲストが扮するエリザベート(市村さんの時は
ドレス姿なのになぜかサングラスまでかけている)が「生きてさえいればなんとか
なる」、退団後のマネージメントを任せて欲しいの、と歌う。
ルドルフが悩みつつ出て行くと、突然北村岳子(たかこ)さん扮するトートが出て
きて「タカラヅカ〜やめないで〜」。もうどうしろと言うのか状態で涙を流して
笑ってしまった。

次は「and All That Jazz」に載せてボブ・フォッシーのダンスを。
岳子さん率いるグループの前に「違う違う、フォッシーはそんなんじゃないの」と
市村さんが出てきてグッとくるダンスを披露してくれる。
この間も岳子さんは素敵なダンスの合間合間に、パチンと太ももを叩きすぎて
「イテッ!」とか小ネタ満載(笑)。
若い衆が同じ振り付けで踊っても、この2人はどこか違う。流石のダンスである。

齊藤晴彦さんと西川忠志さんの芝居をはさみながら「RENT」ネタ。
ロックミュージカルは苦手だという齊藤さんの前に踊りまくる若い団体が現れ、
「音がうるさくて聞こえないよ!」という内容。するとささっと並んで突然歌う
「♪クリスマスベルが鳴〜る〜」「ここだけは何て歌ってるか聞こえるんだよ」
これが繰り返される(笑)。

前回もあったラカージュ・オ・フォールをもじった「赤字のホール」があり、
これまた前回もあった屋根の上のバイオリン弾きの「しきたり」。
「ミュージカル界のしきたり」を紹介と銘打って、座長は大きい個室、その下が
順順に小さい個室、4人部屋、大部屋…とわかれるさまや、ポスターの再現、
大部屋の人は個室に挨拶に回り、座長の部屋の前にはなぜか暖簾(のれん)、
座長はたまに役者たちに弁当をくばり…といろいろ裏話を聞かせてくれる。
座長役はもちろんゲストで、市村さんは森○さん、荒井さんは○柳さんを想定して
ネタを披露。どちらも爆笑だった。

大部屋の人たちがはけると、コート姿の見慣れた女性。早坂好恵ちゃんのエポニーヌで
歌うは前回もあった「だけどふたり」。せっかくもらえた個室の楽屋、でも昼の部が
終われば人の楽屋、とダブルキャストの悲しみを歌う。「ダブルキャストだけど
私だけ見に〜… 来て」の「来て」がいい感じで笑いをとっていた。

そしてわれらがレミゼのパロディ。これも前回と同様ネタなのだが、自分達でくるくる
回りながら「せっかくオーディションになんとか受かったのに」舞台が暗すぎて
誰だかわからない、ぐるぐる回って目が回る、「いつかは逃げるぞ、見てろ!」と
歌っていて爆笑。すると客席から携帯の呼び出し音が聞こえ、みんなギョッとするが
いつの間にか逃げていた市村さんが突然客席から現れ、齊藤さん扮する「シャベール」
が「やめろ、公演中だ」と怒ると市村さん扮する「ガンバルジャン」が「大事な
電話だ、このあと女房と食事の約束が」と反撃。「忘れないぞ、電話番号24653」
とオチがついたところで、「携帯だけは切っておいてください」と全員で頭を下げる。
みんな、携帯の電源は忘れずに切りましょうね(笑)。

「みっともないと言われる前にやめた懸命なブロードウェイ、でも日本ではまだまだ
客がくるからやめられない」というキャッツネタと、前回もあった「大人になった
アニー」ネタ(こんなはずじゃなかった、アレがトラウマになって…と悲惨な末路を
たどったアニーたちが登場する爆笑ネタ)があり、コーラスラインのわりとまんまな
再現があり、またラ・バンバの忠太郎が登場して舞台は暗転、ピーター・ハワード氏の
素晴らしいピアノ弾き語り。
しかし初日は思いっきり上手側だった私はハワード氏がほとんど見えない位置だった
ため、耳だけ楽しませてもらいながら舞台上を見ていた。
すると、上のほうでなにやらするすると物干し竿のようなものが伸びている。
なんだろう…と思っているとハワード氏のピアノが終わり、現れたのは7人の侍。
足元には背の低い水槽様のものが。何??

答え。雨に唄えばに載せて「雨の中で人を斬るのは最高」と唄う侍たち(笑)。
「雨の中で」という共通点だけで引っ張るにはムリのありすぎるこの設定、くだんの
物干し竿の先のシャワーから雨が降り、水槽の泥の中に突っ込んで死んでいく侍たちを
西川さん、高橋てつやさん、佐々木しんじゅさん、ブライアン・ヘインズ氏が
熱演する。特にダンスの高橋さんは刀を傘にみたててあの有名な「雨に唄えば」の
ワンシーンを再現。貧乏侍のかっこでするもんじゃないよ…(笑)と、かなりツボ。
楽では黄色いビニール傘も登場してさらに爆笑だった。しかも楽に最前列で見ていた
私のお友達はなんと服と足に泥がはねていた。いろんな意味ですごい舞台だよ…。

そして舞台が濡れたところで休憩(笑)。

2幕はニューヨークで話題になったストンプから、ほうきやモップやパイプ椅子で
床を叩いて音を出す出し物を、濡れた舞台を拭いているという設定から無理なく
スタート。そして床で音を…という共通点からタップもまじり、アイ・ガッタ・リズム
へと移行。

岳子さんのお腹の大きいエビータをはさみ、いまやアメリカではスヌーピーより
ポケモンの方が有名と歌う、この秋上演される君はいい人チャーリーブラウンネタ。

次はもうとある女優さんの真性ファン以外には大喝采だったであろう、岳子さんの
キッツ〜〜〜〜いネタ。これはちょっと字には書けません(笑)。
見られなかった人、残念です。「そうだ、京都へ行こう」で有名なあの曲にのせた
ネタだったことだけお知らせします。

次(笑)。
ジキルとハイド。ゲストが演じる。市村さんは前回も同じネタを披露してくれたが、
何度見ても爆笑。「ミュージカルなんていつまで続けているつもりだ!」とハイドが
言えばジキルが「私は夢を実現させる」と返す。向こうで上演されているホンモノも
同じようにアシュラ男爵のカッコ(わかる人だけわかってくれ)で右と左を交互に
見せながら演じているらしい。
最後のジキル「私をテレビに出すつもりか!」ハイド「出たいくせに〜〜〜〜」は
場内爆笑である。他のゲストさんもほぼ同じ歌詞だったらしいが、坂上次郎さんだけ
違う内容だったらしい。その辺はぱんちゃんにオマカセ。
楽では市村さん、熱演のあまり最後の「出たいくせに〜〜」の直前になんとカツラを
飛ばしてしまった(笑)。

高橋さん率いるダンスグループの素晴らしいタップの後、今回最長最高のネタ
「不夜城」が始まる。
齊藤さん扮する補導員「倉蕗(くらふき)」さんが未成年の非行防止に不夜城と
呼ばれる歌舞伎町へ向かうが、ホストクラブに岳子さん扮する奥さんを見つけ、
お互いに「結婚した頃はこんなじゃなかった」と不満をぶつけ合う。
「スウィング!」のダバダバダバ…というスキャットが「駄馬駄馬駄馬…」に
変わり、「ダメダメ」「ヤダヤダ」とののしり合いに。すんごい素晴らしい歌声で
これをやられた日にゃ、もう大爆笑ですよ。
「化粧を落としたらブスだったとは知らなかった」とダンナに言われれば
「あんただって若い頃は髪の毛が『くろぐろ、フサフサ』、それが今じゃ…」と
悪態を返す妻。

離婚だ!とケンカがクライマックスに行ったところで突然出てくる白いスーツに
身を包んだ福井貴一さん。
オレは遊び人に見えるけど、実は家庭を大事にしてるんだぜ、「好きで所帯を
かまえたんだから捨てんなワイフ」とステイン・アライブの節で歌う。
これを見てしまうと元の映画を見てもどうしても「ステイン・アライブ」に
聞こえなくなるという弊害があるらしい(笑)。
しかもこの後、夫婦が怒って舞台袖に消えてしまうと若い女の子をナンパする
貴一。「ねえ彼女、これから『千葉』に行かない?」
女の子は「せっかく埼玉から東京に出てきたのに…」と不満げだが、男らしく
グッと抱きかかえられてクラッとしたところに「知らないの?今は六本木でも
渋谷でもなく、千葉がアツいんだぜ!」と歌いだすのは「サタデーナイト・千葉」。
ディズニーランドもあるし米は美味いし魚も美味い、ナイス千葉ナイス千葉〜と
続く。貴一さんの貼り付けたような笑顔の表情がまた最高。惚れたぜ(笑)。

「なんだアイツは!」と戻ってきた倉蕗さん、外人たちに囲まれる。女と遊ぶために
日本に来た黒人、ピストルや怪しげなクリームを手に入れた中国人、ブランドものが
すぐ買えちゃった東南アジア系の女の子、麻薬を売ってるイラン人、ポン引きで
稼いで祖国にコーヒー園を作ろうとしているブラジル人、一晩でラジカセが
買えちゃったロシア人女性などなどが歌う「ジャパニーズドリーム」。
倉蕗さんが「都知事の言い分もわかる、ジャパニーズドリ〜ム」と歌うと場内の
オジサマ方爆笑。しかも会場のグローブ座がある新大久保は、夜に歩くとこの
ジャパニーズドリームの雰囲気をナマで味わえる(笑)。

外人たちがいなくなると闇からツツっと出てきたのは女子高生の軍団。
岳子さんが開口一番「オジサン、ホンモノの女子高生よ」と言うと場内爆笑。
「ホンモノの女子高生よ」と言うだけであれだけ笑いを取れる女優さんは他にいない。
それもあんなにキレイな体形なのにあんなに笑いが取れちゃうってすごいよね。
スイート・チャリティの曲で「欲しいブランド物を手に入れるには若い体を
売るしかない」とすごい内容で色っぽく迫る。
が、倉蕗さんに「終電がなくなる前に帰りなさい」と言われちりぢりに。
そして帰る前に倉蕗さんがつぶやいた、「あの子達、根は素直でいい子なんですよ」
という言葉に反応して、ウエストサイド物語の「クラプキ巡査」に載せてあれこれ
歌う女子高生たち。こんな不良になっちゃったのは家庭のせい?社会のせい?
それとも病気?と明るく考える。
制服を着たのがうれしかったらしい出演者のみなさん(特に岳子さん)、楽では
最後に「またやろうね」とアドリブが(笑)。

不夜城にも夜明けが近づいていたが、こんなカップルも、と前回同様「美女と野獣」
ネタが登場。市村さんのときは上司とOL、荒井さんのときは女上司と部下の男性と
2種類見られて満足。そして前回にはなかった「話は変わるけど…」という後半部分。
ミュージカル、なのかしら、美女と野獣〜と歌った後、日本にも「悪いけど客はくる」
ディズニーのようなプロデューサーが欲しいよね、と歌う。
カップルが消えてしまうと齊藤さんが出てきて「日本にもいましたよ、手塚治虫」
と歌うが、「あの方は、ミュージカル、作らなかった」、「ジャングル大帝は、
ライオンキングに、真似された」、「日本にも、いましたよ、アサ…いややめとこう」
「アサ…朝だ朝だよ〜朝日が昇る〜」と歌って去っていくのだった(笑)。

この後、いよいよフィナーレ。素敵なダンスに載せて「お気に召したでしょうか」
「お気に障られたでしょうか」と歌う。世の中にはお気に障られた方もいるようだが
これを楽しめないのでは人生もったいなくてしょうがないと思う。
いや〜もう、ホントにいいものを見せてもらいました。
次の公演も絶対行きますとも!

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