レ・ミゼラブル豆知識

目次

花をもらおう!・囚人番号が変わった!?君の名は「逃亡者」バルジャン

コゼットを探せ!レベル41(適当)同じフレーズを探せ!レベル25(適当)
花をもらおう!
カーテンコールで、出演者の挨拶とオーケストラの紹介が済んだ後、 突然ソデから舞台に多数の何かが投げ入れられる。 それは小さな花束で、出演者がそれを1人2、3個ずつ拾うと、 にこやかに観客に手を振って引っ込んでしまう。
初めて見た人は、それで終わりだと思う。すると出演者がまた舞台に走り出てきて、 突然その花束を客席に向かって 投げてくれるのである。

しかし、舞台のすぐ前にはオーケストラ席もあり、 どんなに出演者ががんばって投げてくれても、 せいぜい前から10列目くらいまでしか届かないのである(それもかなりがんばった場合に限る)。 この花をもらうためには、「運」と「早目の予約」(笑)が必要となる。 この花をキャッチしたら、あなたもレ・ミッズマニアだ!

ちなみに大きさはこれくらい
(手と比較してね)
これがその花束です。

囚人番号が変わった!?
ロンドン公演ではバルジャンの囚人番号は「24601」番。 もちろん英語で歌われるので、 「トゥー、フォー、シックス、オー、ワン」と歌われる。 日本公演でも、最初の頃はこう歌われていた。 しかし、東宝の意向で、なるべく日本語で、ということになり、 「ワンデイモア」と歌われていた歌詞も「今日も」と変わり、 囚人番号も日本語で歌うことに。 でも「にーよんろくれいいち〜」ではあまりにも歌いにくいとの理由で、 発音がしやすい「にーよんろくごーさん」、つまり「24653」に変更された。 囚人番号が変わっても歴史は変わらないのだ。

君の名は
レ・ミゼラブルにはアンサンブルの人たちがたくさんいますが、 結構細かくちゃんと役名がついています。 それぞれ、ジョン・ケアードが細かい設定まで決めて、 それに沿ったあらゆるお芝居をしています。 特に日本公演では、他国と違う設定などもあるようです。 ここでは、あまり知られていないアンサンブルの役名と、 他の主な出演場所などをご紹介。 (注・表中の役者名は1999年公演のキャストです)
キャラクター名役者名役どころ
学生
グランテール大谷美智浩・森田浩平 いつも酒ビンを持っている。目立つのですぐわかる。「共に飲もう」では 「死も恐れぬか 世界は忘れないか 死など無駄じゃないのか」 と自らの行動に疑問をなげかけつつ、アンジョルラスと共に戦い死んで行く。 他に、ファンティーヌといざこざを起こすバマタボワ役も。
クールフェラック高野絹也・和田哲監 熱血漢ですぐに何にでもつっかかる。 バルジャンがジャベールを処刑した形で戻ってきた時、 称賛の意味で最初に銃をドンドン叩き付ける。 「民衆の歌」で「戦えそれが自由への道」と歌う人。
コンブフェール石山毅・小鈴昌記 アンジョルラスの参謀役を務める。 ABCカフェで最初に「仲間は準備できた」と歌い、 「民衆の歌」では「列に入れよ 我らの味方に」と歌うのが彼。 皆がジャベールを殺そうと銃を向ける時に止めに入る人。 他に、ファンティーヌを首にする工場長役も。
フイイ神保幸由・広田勇司 「民衆の歌」で「悔いはしないなたとえ倒れても」と街の女性に歌い、 バリケードでは「過ぎた日に乾杯」と友情を歌う。 人の心を燃え立たせる言葉を言う人。 「来い、相手になるぞ〜」の高音が聞かせどころ。
ジョリ西村直人・斎藤桐人 いつもマリウスの傍らにいる。 ABCカフェでマリウスの恋愛の話を聞いているのが彼。 見張りとしてエポニーヌ、ジャベールやバルジャンがバリケードに来るのを発見する。 バリケードで死ぬ時に片足でぶら下がる人、 テナルディエが下水道に運んでくる死体も彼。
プルヴェール西村直人・津田英佑 心やさしい詩人という設定らしい。バリケードが市民に見捨てられたとき、 ガブローシュを必死で帰そうとする。
レーグル林アキラ・大須賀ひでき 学生としてはあまり活躍しないが、司教様役の人が演じる。 キャスト表に「レーグル司教」と書いてあるのでよく司教様の名前がレーグルだと思っている人がいるが、 レーグルは学生の名前である。
その他
モンパルナス青柳勝太郎・岩田元 テナルディエ強盗団の手下。エポニーヌに気があるようで、 テナ妻はパルナスとエポニーヌをくっつけようとしているとのこと。 プリュメ街でマリウスとコゼットを見つめるエポの前に現れ、 「今夜やるんだよ、この屋敷を」と歌う。
バベ乾アキオ・岩田元 テナルディエ強盗団の手下。 10年後のパリのシーンでしなやかな動きでコゼットを捕らえようとし、 マリウスに殴られる。 テナルディエの宿屋では「懐も重たそう」な客を演じ、 バリケードのシーンではエコーのかかった政府軍の声=歌を歌う。
クラクス酒本朗・井上一馬 テナルディエ強盗団の手下。 「プリュメ街の襲撃」で 「こいつぁ愉快だ オヤジと娘 街角でいがみ合いだ」と歌う。 娼婦のヒモと、馬車の暴走のシーンで下敷きになるフォーシュルバンも。
ブリュジョン祐木鎧・井上一馬 テナルディエ強盗団の手下。力が強いという設定らしい。 「プリュメ街の襲撃」で 「分け前よこせよ 仕事をやろうぜ」と歌う人。 裁きのシーンではバルジャンに間違われた男を演じる。
クローン1大川美佳・高谷あゆみ 港でファンティーヌからロケットを買う老婆。学生たちが死んだ後に出てくる、盲目の老婆 (「教えなかった死ぬことなど」と歌う)もこの人。
クローン2大川美佳・尹嬉淑 港でファンティーヌから髪を買う人。前回までは1と2は同一人物だったようだが、 今回からこちらは髪を買うような商売をしている人という設定になったようだ。
マテロット麻生かほ里・児玉奈々子 バリケード上手の酒場(には見えないが)で働く女性。フイイと恋に落ちる。 これは日本だけの設定らしい。工場のシーンでファンティーヌに同情する人の役も。
ファクトリー・ガール井上めぐみ・坂口阿紀 工場のシーンでファンティーヌとケンカする女性。元工場長の女で、 ファンティーヌを追い出して工場長とよりを戻すという設定とのこと。
ジベロット井上めぐみ・江川真理子 バリケード上手の酒場で働く女中さん。「最後の戦い」の前のシーンで、 酒場の主人にすがる人。
マダム国分美和・山田ぶんぶん 売春宿でファンティーヌに「お前さんだってさ あたいらと同じよ」と歌う。 10年後のパリで「どきなって 淫売め、あたしのこのショバ荒らすのか!」と歌うのも彼女。
ガミネット木村聡子・岩本あゆみ・鈴木輝美 バリケードで戦う男の子の役を務める女性。「共に飲もう」のシーンでバリケードに座り、 足をぶらぶらさせているのがかわいい。2人いるので1と2に分かれている。
参考資料:月刊「ミュージカル」1997年7月号、レ・ミゼラブル日本公演ライヴ盤CD歌詞カード、キャスト情報・たんぽぽの心情さん

「逃亡者」バルジャン
原作でもメインテーマとなっているのが、 バルジャンとジャベールの追いかけっこ。 ミュージカルでも、最初からほぼ最後まで、 「ジャベールに追われるバルジャン」を描いている。 実は、その昔アメリカで人気のあったテレビシリーズで、 ハリソン・フォード主演で映画にもなった「逃亡者」は、 レ・ミゼラブルをベースにしていたのでは?との話がある。 リチャード・キンブリ(だっけ?)は実はバルジャンだったのだ!!

コゼットを探せ! レベル41(適当)
レ・ミゼラブルではアンサンブルさんだけではなく、 バルジャンとジャベールを除くプリンシパルの人たちも何役も演じていらっしゃいます。 ここではプリンシパルの人たちの本役以外の見所出演場所をご紹介。
(注・表中の役者名は1999年公演のキャストです)
本役名役者名その他の出演場所
コゼット純名里沙・早見優 工場のシーンでは生みの母をいじめる役(笑)。娼婦も演じている。
マリウス石川禅・石井一孝・戸井勝海 ツーロンの徒刑場では囚人を、裁きのシーンでは裁判官を演じている。
テナルディエ斎藤晴彦・山形ユキオ ツーロンの徒刑場で囚人の役。いつも見逃してしまいます(笑)。
テナルディエの妻前田美波里・森公美子・大浦みずき 司教様のシーンで司教様の妹役を演じる。テナ妻と正反対の慎み深い女性。
エポニーヌ島田歌穂・本田美奈子 工場のシーンと娼婦に出演。あまり目立たない。
アンジョルラス岡幸二郎・今拓哉 裁きのシーンで裁判官、結婚式のシーンでは給仕役を。特に給仕は必見。
ファンティーヌ岩崎宏美・鈴木ほのか ワン・デイ・モア〜バリケードでピエール少年役。シマシマズボンが目印。

同じフレーズを探せ! レベル25(適当)
2度以上使われていないメロディーを探す方が大変なくらい、 同じフレーズが何度も出てくる「レ・ミゼラブル」。ここでは比較的大きなナンバーの中から、私が「同じフレーズであること」に感動した部分を表にしてみました。でも、細かいところを探せばもっともっとあります。あなたはいくつわかったかな?
メインのフレーズこれが同じ部分!
囚人の歌(アンサンブル)
    「下向け、目を合わすな」
乞食たち(アンサンブル)
    「下向け、乞食を見ろ」
対決(ジャヴェール、バルジャン)
    「バルジャンついにまた出会ったな」
「囚人の歌」はプロローグで最初に聞く曲。つらい人生を象徴しているような曲で、 バルジャンとジャヴェールの対決の曲に使われています。
カフェ・ソング(マリウス)
    「言葉にならない 痛みと悲しみ」
司教(司教様)
    「さあ入りなさい おもては寒い」
順番としては司教様の歌の方が先に出てきますが、メインはやはりカフェ・ソングの方でしょう。 友人たちが死んでしまったのに、自分だけ生き残っている苦しみをマリウスが歌います。 相手を思いやる気持ちの歌として、同じメロディーなのでしょうか。
バルジャンの独白(バルジャン)
    「なんということをしたのだ俺は」
ジャヴェールの自殺(ジャヴェール)
    「あいつはどんな悪魔だ俺を」
これは、どちらもそれまでの自分の人生観が大きく揺らぎ、動揺している歌です。 そういう意味でまったく同じメロディーを使っている、とジョン・ケアード (だと思う)が書いてました。
裁き(バルジャン)
    「誰だ その男を奴隷に陥れてしまうのは」
ワン・デイ・モア(アンサンブル)
    バルジャン「今日も一日を生き延びた」
夢やぶれて(ファンティーヌ)
    「夢を見てたのね 望み高く生きて」

    「夢は悪夢に 狼の牙が」

ワン・デイ・モア(アンサンブル)
    マリウス「めぐり逢えたのに
      ようやく逢えたのに」
    エポニーヌ「今日もひとりよ
      振り向きもしない」
「ワン・デイ・モア」は「裁き」(Who am I)と「夢やぶれて」のメインテーマで構成されていて、 さらにそれぞれのキャラクターの歌(ジャヴェールやテナルディエ夫妻)が重なってきます。 第1幕のラストにふさわしい、壮大な曲。私の一番好きな曲です。
この家の主(テナルディエ)
    「らっしゃいこの町一番の宿屋へ」
宴会乞食(テナルディエ)
    「愉快だね豪気だね
      エリートが仲間とは」
ほとんどテナルディエのテーマといってもいいこの曲ですが、宴会乞食の方はマリウスと コゼットの結婚式で使われているため、出だしがワルツになっています。さらに最後の歌詞 「神様と地獄で」というのが、97年からは客席に向かって「おまえらと地獄で」と変わりました。
ファンティーヌの死(ファンティーヌ)
    「コゼット冷えるよ
      コゼットおやすみよ」

    「おいで明かりが消える

      ごらん星が出てるわ」
エピローグ(バルジャン・ファンティーヌ)
    「讃えますわ(支度はできた)
      重荷おろして」
オン・マイ・オウン(エポニーヌ)
    「ひとり でも二人だわ
      いない人に抱かれて」
この他に、「おいで明かりが消える」の部分はエピローグでバルジャンが 「最後の告白を書いた」と歌うフレーズにもなっています。やさしいメロディーですが、 それがよけいに悲しみを誘います。
民衆の歌(アンジョルラス・アンサンブル)
    「戦う者の歌が聞こえるか
      鼓動があのドラムと響きあえば」
エピローグ(アンサンブル)
    「若者たちの歌が聞こえるか
      光求め高まる歌の声が」
「資生堂ミュージカル」だった頃のCMでも流れた、レ・ミゼラブルの顔と言ってもいい曲。 民衆の歌は、学生たちの奮起の歌ですが、エピローグはまるで天から聞こえてくるような、 透き通る美しい曲になっています。そして感動のラストシーンへ。

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